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日本酒はもっと4合瓶で売ってほしい

先日、注文していた「東北泉」が届いた。20歳くらいの頃、これを飲んで日本酒ってうまいんだなと初めて感じたお酒だ。当時このお酒を置いているところは東京にはほとんどなくて(今でも見ることはほとんどないけど)、山形に行く人についでに買ってきてもらったりもした。ボクにとっては思い入れがあるお酒だ。

お酒は最近冷で飲んでいる。暑くなってきたからという理由もあるが、思い返すと今年の冬もうちでは冷で飲んでいた。これまでは夏は冷かビールだが、冬は熱燗だった。しかし今年の冬は熱燗はほとんど飲まなかった。そんなに寒くなかったのかもしれない。だから飲もうという気がそんなにしなかったのかもしれない。だが、それとは別の理由がある気がしている。日本酒はこれまで一升瓶で買っていたのだが、最近は4合瓶で買うようになった。そのことも影響している気がする。

一升瓶は酒という気がする。日本酒と言えば、昔から見ているのは一升瓶だし、今でも酒屋や居酒屋で見るのは大抵一升瓶だ。一升瓶で飲んでいると酒を呑んでるんだなぁという気がする。これは缶ビールを飲むのとは全然違うものだ。別に量の問題ではない。少し飲むにしても、プシュと開けてぐびっと飲むビールと、トクットクッと一升瓶から注がれ、床に座ってぐいっと飲むお酒では気分が違う。

酒を飲む雰囲気としては最高の一升瓶だが、実際に買ってこれを飲むとなると結構不便なことが多い。消費者としては不便なものを買うよりやはり便利なもの、都合のよいものを買うようになる。不便な一升瓶ではなく、自分にとって都合のよい4合瓶を買うようになったのだ。

4合瓶の方がいい理由

まずは重さだ。一升瓶は重い。1.8Lが瓶に入っているのだから当然なのだろうが、店で買って持って帰るのは結構大変だ。なるべくなら避けたい。酒屋でどれにしようかなと悩むのは楽しい時間だが、重い一升瓶を持って帰ることを考えるとその場ではほとんど買わない。ちなみに4合瓶ならまぁ買って帰ってもいいかなと思える。

そして大きさだ。一升瓶のサイズはうちの冷蔵庫には入らないのだ(無理やり入れることはできるのだろうが、そんなことをしたら他への影響がでかすぎる)。冷で飲みたくても冷蔵庫で冷やすことはできない。冷で飲むなら毎回飲む量を徳利に移してそれを冷やさなければならない。ただ徳利に移してから冷やすので冷えるまで少し時間がかかる。飲みたくてもすぐには飲めない。そしていちいちめんどくさい。

あと容量のこともある。これは人によって全然違うだろうが、うちでは一人で飲んでいるので一升瓶だと5日~7日くらいかけて飲む。ただ家で毎日飲むわけではない。外で飲んでくる日はうちでは飲まない。週に2、3日外で飲んで帰るので、まぁ一週間から2週間くらいかけて一升瓶を飲み切ることになる。これはボクの場合だが、飲みきるまでもう少し時間をかける人もいるだろう。

日本酒も開封すると味がだんだん変わる。少し置いた方がいいと言われるお酒もなかにはあるし開けても味はほとんど変わらないお酒もある。ただ、開けてからなるべくは早く飲んだ方がいいものも多い。それには一升瓶はやはり少し大きいなぁという気がする。

最後に、いくら飲んでもいいような気がしてしまうことだろうか。一升瓶は徳利に注いでもそんなに減ったようには見えない。なのでまだいっぱいあるし、ということでもうちょっとくらい、もうちょっとくらいという気によくなる。それが一升瓶の困ったところではある。

これらのことは4合瓶にすると解決することがほとんどだ。軽くなるし、冷蔵庫に入るし、飲みきるまでの日数も少なくなる、そして4合瓶だと減りが早い気がするので止め時を決めやすい。
残念なことに一升瓶に比べ、4合瓶だとラインナップが少ない。一升瓶でしか売っていないお酒が多いのだ。飲み方を考え、もっと4合瓶で売ってくれることを望んでます。

中東 優

執筆者

中東 優(UXデザイナー / インフォメーションアーキテクト)

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